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36.定温倉庫とは?低温倉庫との違いや適した荷物、メリット・デメリット

2026/07/30 更新:2026/07/30

定温倉庫とは?低温倉庫との違いや
適した荷物、メリット・デメリット

         

自社の商品を保管する際に、夏場の暑さや冬の寒さで品質が落ちてしまわないか、心配に感じていませんか。特に食品や化粧品、精密機器などを扱っていると、一般的な常温倉庫では結露や劣化のリスクが気になります。

この記事では、温度を一定に保つことができる定温倉庫の仕組みや、低温倉庫との違いについてわかりやすく解説していきます。読み終わると、自社の大切な製品を定温倉庫に預けるべきかどうかの判断基準が明確になり、倉庫探しをスムーズに進められるようになるでしょう。

 

Ⅰ 定温倉庫とは

自社の製品に定温倉庫が必要かどうかを判断するには、まずその仕組みと他の倉庫との関係を正しく理解することが出発点になります。似た名称の倉庫が複数存在するため、混同したまま選定を進めてしまうと、保管環境が製品の特性に合わなかったというミスが起きかねません。ここでは、定温倉庫の基本的な考え方を整理します。

 

1.定温倉庫の定義と一般的な温度帯

定温倉庫とは、年間を通じて倉庫内の温度や湿度を一定の範囲に保つことができる施設のことです。外の気温や天候に左右されにくい構造になっており、空調設備などを活用して庫内の環境をコントロールしていく仕組みを持っています。

一般的な定温倉庫であれば、おおむね10度から20度の範囲で温度が設定されていることが多いでしょう。商品によって適切な保管温度が異なるため、倉庫会社によっては15度前後や20度前後など、荷主の要望に合わせて細かく調整してくれる場合もあります。

一年中安定した環境を提供できるため、温度変化に弱い製品を安全に保管したいときに役立つ仕組みだと言えるでしょう。

 

2.低温倉庫・冷蔵倉庫・冷凍倉庫との違い

倉庫を探していると、定温倉庫のほかに低温倉庫や冷蔵倉庫といった言葉を目にするかもしれません。それぞれの主な違いは、設定されている温度帯にあります。

定温倉庫が10度から20度程度の一定温度を保つことを目的としているのに対し、低温倉庫はさらに低い温度で保管する倉庫の総称として使われる傾向があります。

具体的には、10度以下で保管する冷蔵倉庫や、マイナス18度以下で保管する冷凍倉庫が低温倉庫に含まれると考えてよいでしょう。自社の製品がどの温度帯を必要としているかによって、選ぶべき倉庫の種類が変わってきます。

 

        

参考:報道発表資料:「倉庫業法第三条の登録の基準等に関する告示」の改正について – 国土交通省

 

 

Ⅱ 定温倉庫で保管するのに適した代表的な荷物

定温倉庫が必要かどうかは、保管する荷物の性質によって判断されます。温度変化に弱い製品を常温倉庫に預けてしまうと、知らないうちに品質が低下し、廃棄ロスやクレームにつながるリスクがあります。

どのようなカテゴリの商品が定温管理を必要とするのかを事前に把握しておくことが、倉庫選定において適切な判断を下すための第一歩となります。

   

 

1.食品類や嗜好品

定温倉庫は、温度変化によって風味や品質が変わりやすい食品の保管に適した環境だと言えます。代表的なものとして、ワインや日本酒、チョコレートなどの嗜好品が挙げられます。

ワインは温度が高すぎると香りが損なわれたり、逆に低すぎると熟成が進まなかったりするため、12度から15度前後の定温環境が理想とされているのではないでしょうか。

また、チョコレートは高温で溶けてしまうだけでなく、温度変化を繰り返すことで表面が白くなるブルーム現象が起きてしまいます。お米や小麦粉といった穀物類も、水分量の変化による目減りやカビの発生を防ぐため、定温倉庫で保管されることがあります。

 

2.化粧品や医薬品

直接肌に触れる化粧品や、体に取り入れる医薬品も、厳密な温度管理が求められる製品だと言えます。

化粧品は、暑い場所に長く置かれていると成分が分離したり、変色や異臭が発生したりする恐れがある点には注意が必要です。品質が変わってしまった化粧品はお客様に届けることができず、大きな損失につながってしまうでしょう。

医薬品についても、温度によって薬効成分が変質してしまう可能性があるため、決められた環境で保管することが法律やガイドラインで定められているケースがあります。

定温倉庫を利用することで、これらのデリケートな製品を安全に保管し、消費者へ安心とともに届けやすくなるでしょう。

 

3.精密機器や美術品

食品や薬品だけでなく、精密機器や美術品の保管にも定温倉庫が活躍している状況です。

パソコンの部品や半導体などの精密機器は、温度変化によって発生する結露に弱い性質を持っています。結露によって内部に水滴がつくと、サビやショートの原因となり、製品としての機能を損なう恐れがあります。

定温倉庫であれば急激な温度変化が起きにくいため、結露のリスクを効果的に抑えることができます。絵画や骨董品といった美術品も同様に、湿気によるカビや乾燥によるひび割れを防ぐ必要があります。

歴史的な価値を持つ美術品を長期間にわたって美しい状態で残すために、美術館の収蔵庫と同じように温度や湿度が管理された環境が選ばれる傾向にあると言えるでしょう。

 

 

Ⅲ 定温倉庫を利用するメリットとデメリット

定温倉庫の導入を検討するにあたっては、得られる恩恵と生じるコストの両面を正確に理解しておくことが欠かせません。品質管理の観点からは非常に有効な手段である一方、常温倉庫と比較してランニングコストが高くなる傾向があることも事実です。

 

自社の製品特性やビジネス規模に照らして、定温倉庫の利用が本当に合理的な選択かどうかを慎重に見極めることが重要です。

  

 

1.品質劣化や結露を防げるメリット

定温倉庫を利用する大きなメリットとして、商品の品質を高い水準で維持できる点が挙げられます。

日本の気候は夏と冬で気温差が大きく、梅雨の時期には湿度も高くなる傾向があります。常温の倉庫では、このような外気の影響をそのまま受けてしまいますが、定温倉庫なら一年中同じ環境を保てるのが強みだと言えるでしょう。

温度差による結露を防ぐことができるため、段ボールのへたりやカビの発生を抑える効果も期待できます。結果として、商品の廃棄ロスを減らし、顧客からのクレームを防ぐことにつながるため、ブランドの信頼性を守るための投資として有効な選択肢です。

 

2.保管コストが割高になるデメリット

定温倉庫には多くの利点がある一方で、常温倉庫と比べて利用料金が高くなるというデメリットが存在する点には注意が必要です。常にエアコンなどの空調設備を稼働させておく必要があるため、どうしても電気代などのランニングコストがかかってしまいます。

 

また、外気を遮断するための断熱工事や特殊な設備の導入など、倉庫の建設自体にも費用がかかっており、その分が保管料に反映されます。そのため、すべての商品を定温倉庫に預けるのではなく、本当に温度管理が必要な商品だけを選別することが重要になります。

 

コストと品質維持のバランスを考えながら、自社にとって最適な保管方法を検討していく必要があるでしょう。

 

 

Ⅳ 自社に最適な定温倉庫を選ぶためのポイント

一口に定温倉庫といっても、各倉庫会社によって管理できる温度帯や設備の充実度、立地条件はさまざまです。自社の製品に合った倉庫を選べなければ、保管費用をかけているにもかかわらず品質トラブルが起きてしまうリスクがあります。

 

倉庫会社へ問い合わせる前に確認すべき観点を整理しておくことが、スムーズな選定につながります。

 

 

1.保管したい荷物の温度や湿度条件との合致

倉庫を選ぶ際にまず確認すべきなのは、自社の製品が求めている温度帯と、倉庫が提供している環境が一致しているかどうかです。
定温倉庫と一口に言っても、設定されている温度は倉庫会社によって異なります。15度に設定されている倉庫もあれば、20度で管理されている倉庫も見受けられます。

さらに、温度だけでなく湿度の管理も行っているかどうかは、荷物によっては重要なチェックポイントになります。倉庫の担当者に自社製品の特性をしっかりと伝え、適した環境を用意してもらえるか、温度の記録や監視体制が整っているかを確認することをおすすめします。

 

2.設備と監視体制

定温倉庫において、温度を設定するだけでなくその状態を継続的に把握できる体制が整っているかどうかも、重要な確認ポイントです。

たとえば、庫内に設置された温度計の精度や記録方法、異常が発生した際にアラートで通知されるシステムがあるかどうかは、倉庫会社によって大きく異なります。

 

万が一、空調設備が故障して庫内温度が乱れた場合でも、迅速に検知して対処できる体制が整っている倉庫であれば、大切な商品を守れる可能性が高まります。見積もり依頼や見学の際に、監視の仕組みについて具体的に質問しておくと安心です。

 

3.立地条件と配送のリードタイム

倉庫の場所がどこにあるかも、選定における重要な要素として挙げられます。定温で大切に保管していても、倉庫から配送先までの距離が遠すぎると、輸送中に温度変化の影響を受けてしまう時間が長くなってしまうでしょう。

また、港や空港、主要な高速道路のインターチェンジから近い倉庫を選べば、輸送コストを抑えつつスムーズな納品が可能になります。配送にどれくらいの日数がかかるかというリードタイムを計算し、納品先のエリアとのバランスが良い立地を探すことが大切です。

見学に行く際には、トラックの出入りがしやすいかどうかもあわせて確認しておくと安心できるでしょう。

 

4.荷役・加工作業への対応範囲

倉庫に保管するだけでなく、ピッキングや梱包、ラベル貼りといった流通加工作業も同じ拠点で対応してもらえるかどうかを確認しておくことも大切です。

特に定温管理が必要な商品は、温度環境が保たれたまま出荷作業まで完結できる倉庫を選ぶことで、荷役の過程で品質が損なわれるリスクを抑えることができます。

また、複数の業者に作業を分散させると管理の手間やコストが増えてしまうため、できる限り一か所で対応できる倉庫会社に委託することが、物流担当者の負担軽減にもつながるでしょう。

 

題に近い事例を知ることが、倉庫選定や運用改善を検討する際の判断材料になるでしょう。

 

Ⅴ まとめ

この記事の要点をまとめます。

• 定温倉庫は温度を一定に保ち商品の劣化を防ぐ施設である
• ワインや化粧品など温度変化に弱い製品の保管に適している
• 冷蔵や冷凍倉庫とは異なり極端に冷やしすぎない環境を提供する
• 空調設備による保管コストがかかるため製品の選別が大切である
• 倉庫選びでは温度帯と納品先へのアクセス確認が重要である

自社の大切な製品を守り、お客様へ確かな品質を届けるために、定温倉庫の活用をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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