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工場の浸水対策は何から始めるべきか?7つの具体的な方法と選び方を解説

工場の浸水対策は何から始めるべきか?

7つの具体的な方法と選び方を解説

 

近年、台風の大型化やゲリラ豪雨の頻発により、工場の浸水被害は決して他人事ではなくなっています。「うち
は大丈夫だろう」と考えていた企業が、一夜にして操業停止に追い込まれるケースも少なくありません。工場
における浸水対策は、単なる設備の保護にとどまらず、企業の存続そのものを左右する重要な経営課題です。

この記事では、工場の防災担当者や経営者の方に向けて、今すぐ検討すべき具体的な浸水対策について解説しま
す。ハザードマップの確認といった基本から、土のうや止水板などの設備投資、そして万が一の際のBCP(事業
継続計画)までを網羅しました。

読み終えるころには、自社の状況に合わせた最適な対策が明確になり、自信を持って防災計画を進められるように
なるでしょう。

 

Ⅰ なぜ今、工場の浸水対策が重要なのか?

工場における浸水対策が急務となっている背景には、気候変動による水害リスクの高まりと、それが企業経営に
与えるインパクトの大きさがあります。被害を最小限に抑えるためには、まずリスクの本質を正しく理解するこ
とが第一歩です。

ここでは、企業が直面する具体的なリスクについて解説します。

 

1.増加する水害による事業停止リスク
近年、短時間に記録的な大雨が降る「線状降水帯」の発生頻度が増加しており、予測を超える浸水被害が各地で
発生しています。

工場が浸水すると、泥水の排水や清掃、消毒作業に膨大な時間を要するため、長期間にわたり操業を停止せざる
を得ません。操業停止が長引けば、売り上げが立たないだけでなく、固定費の流出が続き、経営基盤を揺るがす
事態に陥る可能性があります。
参考:国土交通省「我が国の水害リスクの現状」(河川概要2025)

 

2.生産設備や製品の資産価値を守る
工場内には高価な工作機械や精密機器、そして出荷を待つ製品や原材料が多数保管されています。これらが汚水
に浸かると、機械は故障し、製品は廃棄処分となるため、多額の損害が発生することになります。

特に、特注の機械や代替のきかない部品が水没した場合、再調達までに数カ月を要することもあり、その間の機
会損失は計り知れません。

 

3.従業員の安全確保は企業の責務
企業にとって最も優先すべきは、そこで働く従業員の命と安全を守ることです。浸水発生時に適切な避難誘導が
できないと、従業員が工場内に取り残されたり、避難中に事故に巻き込まれたりする危険性があります。

安全配慮義務を果たすためにも、物理的な対策と合わせて、避難ルートの確保や防災訓練の実施など、ソフト面
の対策も不可欠です。

 

4.サプライチェーン寸断による信用の低下
自社の工場が停止することは、納入先の企業にとっても部品や製品が届かないという重大な問題を引き起こします。
サプライチェーンの一部である自社がボトルネックとなり、取引先の生産ラインを止めてしまえば、長年築き上げ
てきた信用を一瞬で失いかねません。

安定した供給責任を果たすことは、顧客からの信頼を維持し、競争優位性を保つためにも極めて重要です。

 

Ⅱ 工場の浸水対策7つの具体的な方法

ここからは、実際に取り組むべき具体的な対策を7つの手順に分けて解説します。費用がかからない確認作業から、
設備投資を伴うハード面の対策まで、優先順位をつけて計画的に進めていくことが大切です。

自社の現状と照らし合わせながら、できることから着実に実行してください。

 

1.手順1:ハザードマップでリスクを把握する
最初に行うべきは、国土交通省や各自治体が公開している「ハザードマップ」を確認することです。自社の工場が
立地する場所が、洪水や内水氾濫の際にどの程度の浸水深になると予測されているかを知る必要があります。

浸水深が床下レベルなのか、あるいは数メートルに達するのかによって、講じるべき対策の種類や規模が大きく
異なるためです。

 

2.手順2:土のうや止水板を準備する
建物の入り口や搬入口などの開口部からの浸水を防ぐために、土のうや止水板を配備します。
土のうは安価で手軽ですが、設置に労力がかかるため、近年では軽量で設置が容易な簡易止水板や、水で膨らむ
吸水性土のうなども普及しています。侵入経路を物理的に塞ぐことは、初期の浸水被害を防ぐ上で非常に効果的な
手段となります。

 

3.手順3:排水設備の定期的な点検と清掃
敷地内の雨水排水溝や側溝が詰まっていると、大雨の際に水が溢れ出し、内水氾濫の原因となります。定期的に
清掃を行い、落ち葉や土砂を取り除いておくことで、排水能力を最大限に維持することが重要です。

また、排水ポンプが設置されている場合は、いざという時に正常に稼働するかどうか、定期的な動作確認と点検を
欠かさないようにしましょう。

 

4.手順4:重要設備や書類は高所へ移す
浸水リスクがある場合、重要な機械設備やサーバー、紙の重要書類などは、1階ではなく2階以上、あるいは高い架
台の上に設置することを検討します。これを「かさ上げ」と呼びます。

物理的に高い位置に移動させるだけで、床上が浸水したとしても被害を免れる可能性が高まり、復旧作業もスムー
ズに進められるようになります。

 

5.手順5:データのバックアップとクラウド化
顧客データや図面データ、経理情報などの重要データは、ローカルサーバーだけでなく、クラウド上にもバックアッ
プをとる体制を整えます。オンプレミスのサーバーが水没してデータが消失すると、事業再開に致命的な遅れが生
じるためです。

クラウド化を進めることで、万が一オフィスが使えなくなっても、別の場所から業務を継続することが可能になります。

 

6.手順6:防水性の高い建材や設備を導入
工場の新築や改修のタイミングがあれば、浸水に強い建材や設備を選ぶことも有効な対策です。

例えば、外壁や床に耐水性の高い素材を使用したり、電源コンセントの位置を通常より高く設置したりする工夫が考え
られます。また、地下室への浸水を防ぐために、完全防水仕様の扉や窓を採用することも、被害軽減に直結します。

 

7.手順7:避難計画を含むBCPを策定する
ハード面の対策と並行して、緊急時の行動指針となるBCP(事業継続計画)を策定します。誰がいつ避難判断を下すのか、
従業員の安否確認はどう行うのか、復旧作業の優先順位はどうするかなどを事前に決めておきます。

計画を作るだけでなく、定期的な避難訓練を通じて従業員に周知徹底し、実際に動ける体制を作っておくことが何より
重要です。

 

Ⅲ 主要な浸水対策製品のメリット・デメリット

市場には様々な浸水対策製品が出回っており、それぞれに特徴や適した用途があります。コストや設置の手間、防げる
水の高さなどを比較し、自社の環境に最適な製品を選ぶことが大切です。

ここでは主要な対策製品を比較表とともに解説します。

 

          

 

1.土のうは安価だが保管と設置に手間がかかる
土のうは最も古くからある対策で、ホームセンターなどで安価に入手できる点が最大の魅力です。しかし、一袋
あたり20kg以上あるため、設置には大人数と体力が必要となり、緊急時に迅速に対応するのが難しい場合があり
ます。また、使用後の土砂の処理や、袋が劣化しないように保管する場所の確保も課題となることが多いです。

 

2.止水板は効果が高いがコストがかかる
止水板は、アルミニウムや樹脂で作られた板を開口部に設置して水を防ぐ製品です。土のうに比べて軽量で設置が
早く、隙間ができにくいため高い止水効果を発揮します。

導入コストは土のうより高くなりますが、繰り返し使用できる点や、従業員の負担軽減、設置スピードを考慮する
と、費用対効果は高いと言えます。

 

3.防水扉やシャッターは恒久的だが高価
建物の入り口自体を防水仕様の扉やシャッターにする方法は、設置作業がほぼ不要で、ボタン操作やハンドル操作
だけで瞬時に浸水を防げます。

非常に信頼性が高い一方で、導入には高額な工事費用がかかるため、新築時や大規模改修の際に検討されるのが
一般的です。予算と守るべき資産のバランスを考慮して導入を判断する必要があります。

 

4.排水ポンプは自動化できるがメンテナンス必須
敷地内に溜まった水を排出する排水ポンプは、内水氾濫対策として非常に有効です。水位センサーと連動させれば
無人での自動排水も可能になります。

また、水害時は停電のリスクも高いため、非常用電源とセットで導入しなければ、肝心な時に動かないという事態
になりかねません。

 

Ⅳ 浸水対策を検討する際の判断基準

数ある対策の中から自社に合ったものを選ぶためには、明確な基準を持つことが大切です。やみくもに高価な設備を
導入すれば良いわけではなく、現場の状況や守るべき対象に合わせて最適化する必要があります。

ここでは、意思決定の際に重視すべき4つのポイントについて解説します。

 

1.守るべき資産の価値を明確にする
対策にかける費用は、守るべき資産の価値に見合ったものでなければなりません。高価な精密機械やサーバー室など、
被害額が甚大になる場所にはコストをかけてでも防水扉などの強固な対策を施すべきです。

一方で、一般的な資材置き場や事務所エリアなどは、簡易的な止水板や土のうで対応するなど、場所によってメリハ
リをつけることが重要です。

 

2.開口部の広さや数に適した製品を選ぶ
工場の搬入口のような大きな開口部には、連結可能な止水板や防水シャッターが適しています。逆に、従業員用の小さ
な勝手口や通気口などは、小型の止水板や土のうの方が取り回しが良い場合があります。

全ての開口部を同じ製品で塞ぐのではなく、それぞれの間口のサイズや形状、使用頻度に合わせて最適な製品を組み合
わせることがポイントです。

 

3.緊急時に迅速かつ簡単に設置できるか
水害は突然発生することもありますし、夜間や休日に大雨になることもあります。専門の担当者が不在でも、現場にい
る従業員だけで簡単に設置できるかどうかが、被害を食い止められるかの分かれ目になります。

複雑な工具が必要なものや、重量がありすぎるものは避け、女性や高齢の従業員でも扱える操作性の良い製品を選ぶの
が賢明です。

 

4.長期的な運用とメンテナンスの容易さ
浸水対策製品は、一度購入すれば終わりではありません。経年劣化によるゴムパッキンの交換や、可動部のグリスアッ
プなど、定期的なメンテナンスが必要です。

メンテナンスの手間がかかりすぎたり、メーカーのサポート体制が不十分だったりすると、いざという時に機能しない
恐れがあります。導入後の維持管理のしやすさも含めて製品を選定しましょう。

 

Ⅴ 浸水被害発生時の対処法とは?

事前の対策を万全にしていても、想定を超える災害が発生する可能性はゼロではありません。実際に浸水被害が発生して
しまった場合、パニックにならず冷静に対処することが被害拡大を防ぎます。

ここでは、緊急時にとるべき具体的な行動について解説します。

 

1.従業員の安全確保を最優先に行動する
水が工場内に侵入し始めたら、何よりもまず従業員の安全確保を最優先に考えてください。設備の停止や製品の移動に固
執するあまり、避難が遅れては取り返しがつきません。

事前に定めた避難基準に従い、早めの避難指示を出すとともに、全員の逃げ遅れがないか点呼を行って確認する体制を
徹底しましょう。

 

2.最新の気象情報や避難情報を収集する
状況は刻一刻と変化するため、ラジオやスマートフォン、防災アプリなどを活用して、常に最新の気象情報と自治体からの
避難情報を収集し続けます。

川の水位情報や雨雲の動きをリアルタイムで把握することで、どのタイミングで避難を開始すべきか、あるいは工場内に留
まるべきか(垂直避難)の的確な判断が可能になります。

 

3.二次災害防止のため電気系統を遮断する
浸水した状態で電気設備が稼働し続けると、漏電による火災や感電事故といった二次災害を引き起こす危険性が極めて高く
なります。避難する前には、可能な限り工場のメインブレーカーを落とし、電気の供給を遮断してください。

ただし、感電の危険がある場所にブレーカーがある場合は無理に近づかず、電力会社へ連絡して送電停止を依頼します。

 

4.被害状況を記録し復旧作業計画を立てる
水が引いた後は、復旧に向けた作業が始まりますが、その前に被害状況を詳細に写真や動画で記録しておくことが重要です。
これは後の保険請求や、罹災証明書の申請において不可欠な証拠となります。

記録を終えた後、衛生面に配慮しながら清掃・消毒を行い、設備の点検を経て慎重に操業再開に向けた計画を立てていきます。

 

Ⅵ まとめ

この記事の要点をまとめます。

• 浸水対策は、資産保護だけでなく従業員の安全と企業信用を守るために必須である
• ハザードマップの確認から始め、止水板の設置や重要設備の高所移動など7つの対策を組み合わせる
• 守るべき資産の価値と緊急時の設置しやすさを基準に、自社に最適な製品を選定する
• 万が一の際は人命最優先で行動し、事前のBCP策定と訓練が被害軽減の鍵となる

事前の備えが、企業の未来を守る大きな力となります。

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