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40.倉庫の用途地域による建築制限とは?建てられる場所や注意点を解説

2026/09/15 更新:2026/09/15

40.倉庫の用途地域による建築制限とは?建てられる場所や注意点を解説

 

 

倉庫が建築可能な用途地域は、主に商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域などに分けられます。用途地域ごとの面積制限をはじめ、営業倉庫と自家用倉庫の違い、用途地域以外で確認すべき法規制について順に解説します。

 

この記事の要約

 

 

 

Ⅰ 制限なく倉庫を建築できる地域

 

都市計画法で定められた用途地域のうち、面積や階数に制限なく倉庫を建築できるエリアの特徴を整理します。

 

         

 

 

1.商業地域は規模問わず建築できる

 

商業地域では、倉庫の床面積や階数に制限なく建築が可能です。本来は商業施設の集積を目的とする地域ですが、物流を支える倉庫のニーズも高いため、制限が設けられていません。ただし地価が高くなりやすい傾向があり、大規模な物流倉庫よりも小回りの利く配送拠点としての活用が一般的です。

 

2.準工業地域は幅広い用途に対応する

 

準工業地域は環境悪化の恐れがない工場の建築が認められており、倉庫も制限なく建築できます。住宅や店舗などが混在するエリアであり、従業員の通勤や雇用確保のしやすさも利点の一つと言えます。交通アクセスが良い場所も多く、中規模から大規模な倉庫の候補地として頻繁に検討されるエリアです。

 

3.工業地域は大型の倉庫に対応する

 

工業地域は工場の利便性を増進する地域であるため、倉庫の建築面積に制限はありません。住宅や店舗の建築も一部認められていますが、主目的は工業活動であるため、騒音や大型車両の通行によるトラブルが起きにくい環境です。広大な土地を確保しやすいため、大型の物流倉庫を構える用途に適しています。

 

4.工業専用地域は物流拠点に適する

 

工業専用地域は工場の業務を最優先する地域であり、大規模な倉庫の建築に最も適したエリアです。住宅の建築が一切禁止されているため、24時間稼働が想定される物流拠点であっても周辺住民とのトラブルリスクを低減できます。港湾やインターチェンジの近くに指定されるケースが多く、広域配送のハブとして機能します。

 

Ⅱ 条件付きで倉庫を建築できる地域

 

一部の用途地域では、倉庫の広さや周辺環境への配慮といった条件を満たすことで建築が認められます。

         

 

1.第一種住居は面積制限を満たす

 

第一種住居地域で倉庫を建築する場合、床面積3,000平方メートル以下という制限を満たす必要があります。この地域は住環境の保護を目的としているため、大規模な施設の建築は認められていません。地域の配送拠点や、小規模な保管庫としての活用に限られます。

参考:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201

 

2.第二種住居は規模の条件を調べる

 

第二種住居地域では、倉庫の床面積が10,000平方メートル以下であれば建築が可能です。パチンコ店なども建てられる指定地域であり、第一種住居地域と比較して規制が緩やかに設定されています。中規模までの倉庫であれば問題なく建てられますが、計画している施設が上限を超えないか事前の確認が不可欠です。

 

3.準住居地域は店舗との併用を検討

 

準住居地域も第二種住居地域と同様に、床面積10,000平方メートル以下の倉庫を建築できます。道路の沿道において、自動車関連施設と住環境が調和するよう指定された地域です。そのため、店舗を併設した倉庫や、交通アクセスを活かした配送センターとしての活用が適しています。

 

4.近隣商業は周辺環境に配慮する

 

近隣商業地域は、倉庫の建築における面積制限が設けられていません。近隣住民が日用品の買い物をする店舗が集まるエリアであるため、法的な広さの規制はない状態です。しかし住宅や商業施設が密集しているため、搬入出車両の騒音や渋滞など、周辺環境への配慮が求められます。

 

Ⅲ 倉庫の建築が一切できない地域は?

 

良好な住環境や農業の保護を目的とする地域では、物流用途の倉庫は建築できません。

        

 

 

1.低層住居地域は住環境保護で不可

 

第一種および第二種低層住居専用地域では、原則として倉庫の建築は認められていません。これらの地域は低層住宅の良好な住環境を保護することが最優先されるため、用途が厳しく制限されています。店舗や事務所の建築も難しく、物流用途の施設を検討する候補地からは除外されるのが一般的です。

 

2.中高層住居地域も生活優先で不可

 

第一種中高層住居専用地域では倉庫の建築が認められていませんが、第二種中高層住居専用地域では、2階以下かつ床面積1,500平方メートル以下であれば自家用倉庫の建築が可能です。ただしいずれの地域も営業倉庫は建築できません。

 

マンションなどの中高層住宅の環境を保護するエリアであり、一部の店舗などは許可されるものの物流施設は対象外です。住宅地に近い場所での倉庫確保を考えている場合でも、これらの地域は避ける必要があります。

 

3.田園住居地域は農業を優先し不可

 

田園住居地域では、農業施設以外の一般的な倉庫は建築できません。農業の利便性増進とこれに調和した低層住宅の環境保護を目的として、2018年に新設された用途地域です。農産物の集出荷施設などは例外的に認められますが、企業の物流拠点としての利用は不可能です。

 

Ⅳ 自家用倉庫と営業倉庫で違いはある?

 

倉庫の使用目的が自社用か他社からの預かり物かで、適用される法律の厳しさが異なります。

        

 

 

1.営業倉庫は厳しい基準を満たす

 

他社の物品を預かって保管料を受け取る営業倉庫を営む場合、建築基準法に加えて倉庫業法に基づく厳しい施設設備基準を満たす必要があります。具体的には、防湿・防火・防鼠対策や、強固な構造計算などを満たさなければなりません。用途地域が適切であっても、これらの基準をクリアできなければ営業倉庫として登録できない点に注意が必要です。

参考:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/souko_gyo.html

 

 

2.自家用倉庫は自社利用に限定する

 

自社の物品のみを保管する自家用倉庫であれば、倉庫業法の適用は受けません。そのため、都市計画法上の用途地域制限と一般的な建築基準法のルールを守れば建築が可能です。将来的に空きスペースを他社に貸し出す可能性がある場合は、当初から営業倉庫の基準で設計しておく選択肢も検討に値します。

 

Ⅴ 用途地域以外で確認すべき建築制限

 

用途地域の条件をクリアしても、建物の形状や土地の接道状況によって計画通りに建築できないケースがあります。

       

 

 

1.建ぺい率と容積率の上限を把握する

 

敷地面積に対して建築可能な建物の広さは、建ぺい率と容積率によって上限が定められています。用途地域ごとに指定される数値が異なり、同じ広さの土地でも建てられる倉庫の規模が変わる点に注意が必要です。希望する保管容量を確保できるか、設計段階で入念なシミュレーションを行います。

 

2.日影規制による高さ制限を確認する

 

建物の高さは、周辺の敷地に落ちる影の時間を制限する日影規制や斜線制限による影響を受けます。特に住居系の地域に隣接している場合、高い建物を建てようとすると上部を斜めに削るなどの設計変更を強いられるケースも珍しくありません。土地のポテンシャルを最大限に活かせるか、事前の詳細な調査が重要となります。

 

3.大型車が通行できる道路か調べる

 

建築基準法上の接道義務を満たしているかに加え、実際の業務で大型車両が問題なく通行できるかを確認します。敷地が道路に2メートル以上接していなければ建物自体が建てられませんが、物流倉庫の場合はそれ以上の幅員が不可欠です。前面道路の幅だけでなく、主要幹線道路からのアクセスルートに狭い交差点がないかも調査対象に含まれます。

 

4.自治体が定める条例を確認する

 

国が定める法律だけでなく、各自治体が独自に設定している条例の確認も必要です。景観計画に基づく外壁の色彩制限や、一定規模以上の開発に対する事前協議など、地域ごとに独自のルールが存在します。土地を購入してから想定外の制限が発覚する事態を防ぐため、計画初期に管轄の役所へ相談することが一般的です。

 

Ⅵ まとめ

 

倉庫の建築は、候補地がどの用途地域に指定されているかによって、規模の制限や建築可否が明確に分かれます。商業地域や工業地域など制限のないエリアを選ぶのが基本となる一方で、建ぺい率や日影規制、接道義務といった複雑な建築制限も絡むため、立地選定には法規と物流実務の双方の知見が求められる作業です。

しかし、用途地域の確認から建ぺい率・容積率のシミュレーション、自治体への事前協議までを自力で進めるには、膨大な手間と専門知識が必要です。法規制の見落としが施設の設計変更や計画の遅延につながるケースも珍しくありません。

ワイズでは、倉庫や工場の建築設計に加え、用途地域や各種法規制の調査、建築費用を抑える補助金探しや申請サポートまでをワンストップで対応しています。土地の条件整理から設計・施工までを専門スタッフが一貫して担うことで、法規制のクリアと事業計画に合った倉庫建築の両立を実現します。

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